コンサルタントコラム

Vol.8 リーダーの役割③ 予定外の出来事への判断

Vol.5にて、全体スケジュールの確立の必要性を書きましたが、それをどれだけ綿密に作っても予定外の出来事は常に起こります。

例えば

「交通渋滞でお子さんの来所が遅れた」

「宿題の時間が終わろうとしているのに、半分以上のお子さんが終えられていない」

「用意していた活動が予想していたよりも10分以上早く終わってしまい、子どもたちが手持ち無沙汰になっている」

といったことは日常茶飯事だと言えるでしょう。

 

こうした状況に対して、時間を調整したり、スケジュールの順番や内容を変えたりする必要がありますが、問題はこの判断を誰がやるのかということです。

そこが曖昧であると、各々の指導員が独断で判断・行動をして行き違いが生じたり、後で「自分は聞いていなかった」「他の人たちで勝手に決められた」と不愉快な思いをするメンバーが出て、チームワークに悪影響が及びます。

 

そこで、現場で予定外の出来事が起きた場合、その状況判断はその日のリーダーが行うことを施設のルールとしてはっきりと決めておくのがよいでしょう。

 

リーダーは予定外の出来事について判断し、必要な指示を各指導員に出します。また各々の指導員はスケジュールどおりに支援が進められないことが明らかになった場合は、リーダーに指示を仰ぎます。

また、「お子さんがパニックを起こした」「活動に参加しようとしない」などで個別対応が必要になる場合でも、近くにいる指導員がなんとなくその子につくのではなく、リーダーがその子にだれがつくかを指示することにします(緊急時を除く)。

そうすることで、予定外の事態にもスピーディに対応ができる上、判断の責任者が明確になることで後の振り返りが行いやすくなります。

日々日々の予期できない変化に対して、計画通りに活動が進められなかったり、適切な対応ができなかったりすることも当然あるでしょう。しかし、リーダーが判断を行うことが全員の共通認識になっていれば、支援後の振り返りで「リーダーの判断・指示が誤っていたのか」「その指示が指導員にきちんと伝わっていなかったのか」「指導員が指示通りに動かなかったのか」といったように、その原因を切り分けて考えることができ、改善に繋げやすいのです。