コンサルタントコラム

Vol.7 リーダーの役割② 説明よりもやってみせる

リーダーの役割の一つは、小集団指導において、子どもたちの前に立って、活動の目的や進め方をわかりやすく伝えることです。

この際大切なことは「言葉での説明は最小限にとどめ、実際にやってみせる」ことです。

放課後等デイサービスに通うお子さんの中でも、ADHDのある子は長い話をじっと集中して聞くことを苦手とする子が多いです。またASDのある子は言葉の説明よりも、目で見て物事を理解するのを得意としている場合が多いです。

こうしたことから、言葉で長々と説明するより、実際にやってみせた方が子どもたちには伝わります。

たとえば「だるまさんがころんだ」をやろうとするとき、リーダーの説明が

「まず鬼をじゃんけんできめて、教室の片方に鬼がたち、それ以外の子はもう片方にたちます。鬼が他の子と反対側を向いて『だるまさんがころんだ』と言ってから振り返ります。それ以外の子は鬼が振り返るまでの間、鬼のほうに歩くことができます。鬼が振り返ったら止まらないといけません。もし止まれなかった人は・・・・」

と言葉だけで説明しようとしたら、集中できず席をたってしまったり、内容を充分理解できないお子さんが多くなってしまうでしょう。

このときは、2人の指導員が鬼役と子ども役になって、実際にだるまさんがころんだをやってみせるのが一番です。言葉ではなく、目でみることで、子どもたちは自分がこの後何をすればよいのかが理解しやすくなり、意欲的に活動に参加してくれます。

 

工作の時間に何かを作るときも、1から順番に手順を説明するのではなく、まず完成品を見せて、これから自分が何を作るのか明確にしてから手順の解説に入るのがよいでしょう。その手順も言葉の説明は極力少なくして、出来上がる過程を実際にお子さんに見せることが大切です。

たまに「できてからのお楽しみ」といって何が作っているのか教えないまま作業させるのを見受けますが、見通しのつかないことには不安になったり興味をもたないお子さんたちが多い放課後等デイサービスでは、避けたほうがよいでしょう。

 

リーダーが「やってみせる」を実践するためには、いきなり本番に臨むのではなく、午前中の時間がある内に、指導員同士で実際に活動をやってみることが大切です。そうすると、指導員や子どもの立ち位置が曖昧だったり、必要な材料が用意されていないことに気づくことが多くあります。それらを話し合って解決しておけば、本番もスムーズに活動を進めることができます。