放課後等デイサービス運営の難しさ

全国各地の放課後等デイサービスを巡る中で、多くの事業者様が自施設が提供する発達支援の質を引き上げることに困難を感じており、結果として施設に通うお子様の問題行動が頻発したり、スタッフの離職が相次いでいることがわかってきました。
背景には、この業態特有の困難さがあります。
以下、ポイントを絞って解説します。

1. 送迎にまつわる職員の負担が大きい

送迎を行っている事業所では、スタッフの業務時間の約半分が利用児の送迎、及び送迎表の作成・車両メンテナンス等の関連業務に割かれています。
そのため、その日の活動の準備や振り返り、アセスメントや個別支援計画の策定に必要な時間が取れなくなっています。
また複数の学校に迎えに出るため、お子さんが来所する時間にバラバラになり、一日の利用の中で計画的な発達支援を行うのが難しくなっています。

2. 利用するお子さんの年代・発達段階が幅広い

放デイの対象になる子の年齢は小学生から高校生まで。
さらに発達の遅れを持つ子も多く含まれます。
これだけ幅広い発達段階のお子さんたち全てに対応しうる発達支援プログラムを提供することは極めて困難です。
予めプログラムを用意してもある子にとっては簡単すぎ、ある子にとっては難しすぎてしまい、結果的にお子さんが活動に参加しなかったり、スタッフがお子様を無理にプログラムに参加させようとしてトラブルを起こしてしまう場面が多く見られます。

3. 1対1の個別対応を行うのが難しい

放課後等デイサービスでは、一人ひとり個別支援計画の作成が義務付けられていることからも明らかなように、それぞれのお子様一人一人異なる障害特性や発達段階にあわせた支援が求められています。
しかし、お子様の数と同数のスタッフを配置しようすると事業所の経営はたち行かず、実際には複数人を1人のスタッフが見ることになります。
こうした状況では、個別支援計画に基づいたきめ細かい支援を行うことは難しく、結果的に計画が形骸化して、いきあたりばったりの支援に陥りがちです。

こうした放課後等デイサービス特有の運営の難しさについては、発達支援・療育の専門家でも対策をアドバイスできる方が少なく、実現不可能な理想論を言われてしまうケースを数多く見ます。
結果、具体的な解決策を見いだせないまま、日々施設で子どもたちがトラブルが起こし、スタッフはその対応に追われて疲弊して離職していき、ついには事業継続が困難な状況にまで追い込まれてしまうこともあります。

放課後等デイサービスコンサルタントの松本太一は、こうした困難さに直面した放課後等デイサービスの経営者やスタッフの皆様と一緒に現場で悩みながら、一歩一歩改善を行ってきました。その結果としてたどり着いたのが、次項で説明するSTEP by STEP の改善プログラムです。

お問い合わせ

弊所へのお問い合わせはメールフォームにて承っております。
受付時間外でのメールのお問い合わせにつきましては、翌営業日以降に担当スタッフが確認の上、ご返信いたします。
お問い合わせ受付時間:10:00~19:00