STEP by STEP の改善プログラム

放課後等デイサービスの支援の質向上のための STEP by STEPの改善プログラム。その目標は「お子様の発達段階にあわせた活動を用意する」ことにあります。

一人ひとりの発達段階にあわせた活動が用意されていれば、お子様は楽しみながら活動に取り組み、発達していきます。またスタッフは活動に取り組む子どもたちの手助けをしたり、できたことをともに喜び合うことで仕事にやりがいを感じ、お子様とともに成長することができます。 プログラムでは、目標に至るためのステップを大きく4段階に分け、事業所の実情にあわせて着実に支援の質の向上を図ります。

1. 物理的な環境調整

子どもたちが事業所内で安全に過ごすための施錠や危険物の防護。
また子どもたちが見通しを持って活動できるために、事業所内の机や棚のレイアウト、掲示物の内容についてアドバイスを行います。
安全に関わることであり、すぐにできることでもあるので、初回の訪問コンサルティングで集中的に取り組みます。

2. 全体スケジュール・職員の役割分担の明確化

子どもたちのトラブルが頻発する事業所では、その日来所するお子さんたちにどのように事業所で過ごしてもらうのかが明確でないまま、いきあたりばったりの支援になっているケースが多くあります。
そこで、その日事業所を利用するお子さんの来所時間を把握した上で一日のスケジュールを明確にし、毎日事業所内に掲示する習慣を確立します。 それと並行して各スタッフの役割分担も明確にしていきます。

特に活動全体の流れを把握して随時スタッフやお子さんに指示を出す「リーダー」が機能することを重視します。
結果的に、各スタッフが今自分が何をすべきで、次に何をすべきか、不測の事態が起きたときは誰に判断を仰げば良いのかを明確に理解している状態を作ります。

 

3. 発達段階に合わせた課題設定

放課後等デイサービスにおいては、幅広い年齢に対応する豊富な課題・活動のアイデアと、それを実現する豊富な教材・遊具の用意が求められます。
このSTEPでは、発達心理学に基づいて、お子さんのグループの振り分けを行い、それぞれのグループに対応する活動案と、それを実現する遊具・教材の準備を行います。

◎発達段階の目安
1. まだ言葉の理解がなく、動き・音・触感などの感覚的刺激に興味を持っている段階(感覚―運動期)
2. 簡単な言葉や文章が理解でき、指導員の言葉がけで集団で活動したり、単純なルールのゲームを遊べる段階(前操作期)
3. 先の出来事や他者の心情なども推測でき、自律的なコミュニケーションが可能になる段階(具体的操作期以降)

課題・活動のアイデアは、これまで事業所として取り組んできたものを整理したり、新たにスタッフからアイデアを募ることから始めます。加えて、松本より放課後等デイサービスで効果的に運用されているプログラムや教材・遊具を随時アドバイスします。特に放デイに通う多様な発達段階のお子さんとの関わりを通じて開発された「アナログゲーム療育」は、市販のゲームを使うことで、簡便に幅広い発達段階に対応した活動を提供できるため、導入する場合が多いです。

4. アセスメント・ケースカンファレンス体制の確立

検査・保護者からの聞き取り・事業所での行動観察等を組み合わせて、そのお子さんの障害特性や発達段階、日常生活での困りごとを把握し、発達支援の目標を導き出すのがアセスメントです。ケースカンファレンスの場では、アセスメントの内容をもとに、職員同士が話し合い、個別支援計画の内容を作成します。 このSTEPの最終的な目標は、支援の指針となり、保護者の信頼を得られる個別支援計画が作成されることです。

この際、導入することが多いのが小児精神科医の太田昌孝先生が開発し全国の特別支援学校や療育施設で実施されている「太田ステージ」検査です。他の多くの心理・発達検査に比べ、専用の検査器具の代わりに身の回りの道具を使って検査でき、検査時間も短くて済むため、時間の余裕がない放デイにも取り入れやすいのが利点です。
検査を導入することで各スタッフが共通の基準でお子さんの発達段階を知ることができ、支援計画や日々の活動内容の充実に活かすことができます。

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