今回は、個別指導の際にアドバイスさせていただく機会の多いポイントをよく見かけるNG例と正解例を並べる形で解説します。
ポイントはいかにお子さんの待ち時間を減らし、集中を持続してもらえるかという点にあります。
教材の準備
✕ 個別指導が始まる時間になってから教材をそろえる
〇 個別指導が始まるまえに、あらかじめお子さんごとに用意したトレーに教材を入れておく
個別指導の時間になってから教材をそろえようとすると、教材を探すのに時間がかかったり、別の支援員がすでにその教材を使ってしまっているといった問題が生じます。その間お子さんは待ちぼうけとなり、離席したり、ほかの子とのトラブルになりやすいのです。
教材は予めお子さんごとのトレーにまとめておくのがよいでしょう。
✕ お子さんを座らせてから支援員が教材を取りに行く
〇 予め机の近くに教材をおいておく。または支援員が教材をもってお子さんと一緒に座る
個別指導に入る際、お子さんを座らせた後、支援員が教材を取りにお子さんから離れてしまい、その間でお子さんの集中が逸れてしまうことがよくあります。そうならないために、個別指導の時間になるまえに教材を机のそばに置いておきましょう。
ただし、お子さんの見える場所に教材をおくと、療育が始まるまえにお子さんがそれを手にとってしまったり、他の子が気になってしまう場合があります。こうした場合は、教材の入ったトレーに布を被せるなどして見えなくすることが有効です。それでも気になってしまう子がいる場合は、個別指導が始まる際、支援員が教材の入ったトレーをもってお子さんと一緒に席に座るのがよいでしょう。
✕ その日取り組む教材が雑然とトレーに放り込まれている
〇 トレーの中でその日取り組む順番に教材が重ねられている
お子さんごとのトレーに教材をまとめる際、ただ雑然と放り込むと、本番で必要な教材が他の教材の下に潜り込んで、探したり取り出すのに時間がかかってしまいます。
スムーズに次の教材を提示できるように、予め提示する順番にそろえてトレーに入れておきましょう。同様にプリント課題も、提示する順番にそろえておくことが大切です。
教材を探したり取り出すのに戸惑っている、たった10秒足らずの時間であっても、お子さんの集中が途切れて、それ以降の療育が不可能になってしまうことがあります。スムーズな提示を心がけましょう。
✕ その日使うすべての教材を机の上に置いている
〇 その都度取り組む教材だけを机の上にだし、それ以外の教材は、机の下など、お子さんの見えないところに置く
✕ 支援員の記録用のボールペンや記録用紙を療育用の机の上に置いている
〇 支援員はクリップボードを手に持ち、記録用紙やボールペンはそこに挟む
〇 療育用の机とは別に記録用紙を置いておくテーブルを用意する
お子さんがある課題に取り組んでいるとき、後で取り組む教材や支援員のボールペンや記録用紙などが一緒に机の上においてあることがよくあります。それがお子さんの目に入ったり手に触れる位置にあるため、お子さんの気がそちらに向いてしまい本来の課題に集中できなくなってしまうことがよくあります。お子さんが療育に取り組む机の上には、そのとき取り組む教材以外のものをおかないようにしましょう。
こうしたポイントを意識することで、お子さんの集中が途切れることなくスムーズに療育を展開することができます。ぜひ試してみてください。