コンサルタントコラム

Vol.9 椅子・机選びの重要性

訪問コンサルティングで提供しているSTEP by STEPの改善プログラム。そのSTEP1では、教室の物理的環境の改善を行います。

その中でアドバイスさせていただく頻度がかなり多いのが、お子さんが課題に取り組む際の椅子と机選びです。

よくみられるのは、大人用の椅子と机に背の小さなお子さんを座らせているケースです。足が地面につかずブラブラしており肘を動かす自由度も制限されてしまっている状態で、これだとお子さんは集中して課題に取り組むことができません。

 

大人用の椅子と机になってしまっている理由として、施設が入る前の使用者が使っていたものをそのまま転用していたり、オフィス家具の通販サイトで安く販売されているものを購入してしまうことがあるようです。つまりコストの問題です。

しかし、机や椅子は見学に来た保護者の方の目に入る部分です。近頃では支援にまつわる情報も豊富にあり、どのような環境がお子さんが過ごすのに向いているのか学んでおられる保護者さんが多いです。そんな方たちに、お子さんたちが無理な姿勢で学んでいる場面を見せたのでは、ご利用を躊躇されてしまうこともあるのではないでしょうか。

だとしたら、コストをかけてでも様々なお子さんの身長にあわせた椅子と机を用意し、見学に来た保護者の方々にしっかりした環境調整を行っていることをアピールしたほうが、長期的にみれば利益に叶うのではないかと考えます。

 

適正なサイズの椅子と机の条件は、下記の通りです。

  1. 椅子に座ったとき、膝の確度が90度で、踵が床につくこと
  2. 机の上に手をおいたとき、肘の確度が90度であること

こちらのサイトも参考にされてみてください。

また、キャスターで移動できる、回転する、ガス圧で高さが調整できる椅子は、お子さんの姿勢が安定しない上、動かして遊んでしまう場合があるので避けるべきでしょう。

 

サイズのあった机と椅子を用意するのが難しいということであれば、ちゃぶ台や足の短い長机を用意してウレタンマットを敷き、お子さんはその上に直接座ってもらうのが次善の策です。発達障害のある子のお子さんには姿勢を保持する筋力が弱い子が多く、地べたに直接座ると姿勢が崩れやすいという難点がありますが、それでもサイズの合わない椅子と机で作業をしてもらうよりはまだ良いです。